虫嫌い必見!ゴキブリ・シロアリ害虫に強い高気密高断熱住宅とは?


暮らしの中で、できる事なら見たくない害虫と言えば「ゴキブリ」が思い浮かびますが、住宅に大敵で絶対に侵入を防ぎたい害虫が「シロアリ」です。
「シロアリ」は音もなく住み着いて、いつの間にか木材を食い尽くしてしまう本当の意味で怖い侵入者です。
今回は、そんな「害虫」と住宅の関係、特に「害虫」が住み着きにくい高気密高断住宅での注意点についてお話しします。

高気密住宅だと害虫は全く入らないの?

夏涼しく冬は暖かい高気密高断熱の家は、文字通り「気密性」が高い家です。
気密とは、一般的には「空気が出入りしないように密閉された状態」を指すので、それなら虫は入って来ないのでは?と思う方も多いかも知れませんが、実際には100%シャットアウトできるわけではありません。では、いったいどこに潜んでいて、どこから入ってくるのでしょうか?

ゴキブリの侵入経路

まずは「嫌いな虫」ナンバーワンのゴキブリについてお話しします。
ゴキブリは生命力が高く、何処にでも住み着いて繁殖します。
住宅の中では、冷蔵庫やガスコンロの裏、流し台の下など暖かく水気がある場所を好み、集合フェロモンを含む糞を出します。
その糞に引き寄せられて更にゴキブリが集まり「巣」が形成され、繁殖するのです。

そもそもの侵入経路は換気口や排水管、電気や電話線の配管、窓やドアの隙間などで、孵化して間もない幼虫なら、僅か1ミリ程度の隙間があれば侵入します。
いくら気密性が高い家でも、人の出入りや窓の開け閉めはありますし、配管や排水そして空気の通り道があるので、そこを狙って家に侵入してくるのです。

シロアリの侵入経路

【蟻道(ぎどう)からの侵入】

住宅の床下に伸びる蟻道

シロアリは紫外線に弱い為、みずからトンネルのような道を作ります。これを「蟻道(ぎどう)」と呼びます。
床下の土中に埋まっている古株や木の根、床下の建築残材の中で繁殖したシロアリが、蟻道を伸ばし、基礎コンクリートや束石、時には給排水管をつたって建物の中に侵入してきます。
また、庭や生垣の杭などに繁殖したシロアリが、地中深くにトンネルを作って、基礎コンクリートをくぐり、床下に入ってくる場合もあります。
外壁に蟻道を作る場合もあるので、地中から伸びる土のトンネルを発見したら、シロアリ侵入を疑ってください。

【羽アリによる侵入】

シロアリの成虫が「羽アリ」です。
羽アリの飛行距離は短く、微風など条件が良くても1km程度。
近隣でシロアリの餌食になっている建物、庭や近くの樹木などから飛び立った羽アリは、オス・メスがペアになって飛んできて、開いている外窓や床下の風窓から侵入し、床下の土壌にたどり着きます。
そこに餌となる木材と湿気があれば、コロニーをつくって繁殖活動を行います。

高気密高断熱住宅の防虫の仕組み

そもそも、高気密高断熱の家は隙間が少なく、温度や湿度をエアコンでコントロールしており、窓を開けて換気を行う必要がないため、一般住宅に比べて害虫、特にゴキブリが入りにくくなっています。
ここからは、こうした気密性が高い家と防虫効果について説明します。

気密性のレベルによる違い

こんな実験をしてみてください。
窓を閉め切った室内で換気扇のスイッチを入れます。
コンセントや、床と壁をつなぐ巾木に手を当ててみると、微かな風を感じることがあります。
これは、家の構造内部で空気の通り道が同期しているからで、隙間が存在する証拠です。

ゴキブリなどわずかな隙間があれば侵入できる害虫は、こうした隙間から屋内に侵入します。

この「隙間」について、気密性を測る基準に C値があります。
「高気密高断熱住宅」であっても、ゴキブリが住み着いて繁殖するケースがあるのは、この気密レベルの違いにも起因しています。

弊社のCom.ie(G3グレード)では、 C値(相当すき間面積)の新築推奨値を0.35㎠×㎡に設定。
高い施工精度により5年後でもC値0.1 ㎠×㎡を記録しています。
限りなく隙間がなく、気密性を高めることで、弊社社長の小泉は、Com.ieに住んで9年間ゴキブリを見たことがないそうです。

Com.ie の気密測定の様子

フィルターによる防虫

一般的な住宅で採用されているのは「第3種換気」です。「第3種換気」は、トイレやキッチンの換気扇が家の中の空気を吸い上げて外に出す作りになっていて、給気口にフィルターがついています。
給気口フィルターは虫の侵入を防いでいるのですが、体長数ミリの軽い虫は、空気と一緒に屋内に入ってきてしまいます。
ホームセンターなどでは、換気扇や換気口などに貼るタイプの「防虫用不織布フィルター」が販売されていますが、「不織布フィルター」の油やホコリを吸着したままにすれば、本来の換気能力が損なわれてしまうためあまりお勧めはできません。

一方、高気密住宅の中でも、「第一種熱交換換気」を採用している場合、給排気口は1カ所です。
弊社のCom.ieの場合も第一種熱交換換気を採用しており、ヨーロッパ規格の花粉・PM2.5の侵入をも防ぐ高性能フィルターにより、給排気口からのゴキブリなどの害虫の侵入は不可能となっています。

花粉・PM2.5の侵入を防ぐ高性能フィルター

「シロアリ」についてもゴキブリ同様、家の構造や性能が大きくかかわっています。
次に、高気密高断熱住宅のシロアリ対策について詳しくご説明します。

高気密高断熱住宅なら絶対にやるべきシロアリ対策とは?

シロアリは、森では倒木などを土に還すために重要な働きをしますが、住宅では家のあらゆる木材を、知らず知らずのうちに内側から食い尽くしてしまう木造住宅の天敵です。
ひとたび被害に遭うと、気がついた時には、修復不可能な状態、家が崩れる寸前であることも珍しくありません。
安全な暮らしを守るためにも、絶対に侵入を防がなければならないシロアリには、次のような対策が必要です。

防蟻処理(ぼうぎしょり)施工と点検

防蟻処理(ぼうぎしょり)とは、シロアリ被害の発生を防ぐために、住宅の構造材に施工するシロアリ対策のひとつです。
一般的には、床下に薬剤を散布もしくは塗布する方法で行われます。

木造建築の場合、地面から1mの構造耐力上主要な部分に対し、 有効なシロアリ対策を講じることが建築基準法にで定められています。
日本では従来、神経毒性を持つ農薬系有機薬剤が使われてきましたが、 効果が長く持続する農薬用は人体への影響を考慮して使用が禁止されため、現在では効果が短い5年程度の農薬成分のものが使われています。
シロアリ被害を食い止めるための必要悪との見方から農薬系有機薬剤の使用が認められてはいますが、胎児への影響など健康被害への懸念が払拭されたわけではありません。

健康面への影響を考え、弊社Com.ieではボロンdeガード®という「ホウ酸」の防蟻剤を採用。
農薬系の入った防蟻剤は一切使用していません。
土壌、海水、淡水、温泉そして微量に目薬にまで含まれている天然鉱物のホウ酸は、木部に処理すると防腐防虫効果を発揮する優れた木材の保存剤です。
人間を始めペット等の哺乳動物、植物にも無害で、透明無臭で空気中に揮発せず、シックハウスを引き起こす心配のない安全な自然素材です。
防蟻処理を行う際には、どのような薬剤が使用されているかにも注意してみてください。

なお、防蟻処理施工には、有効期間や保証期間が設けられています。
高気密高断熱住宅であっても、有効期間が切れる前に点検し、シロアリの有無を確認、駆除することも家を長持ちさせるうえで必要です。

雨漏り補修

シロアリ発生は「雨漏り」から始まることがほとんどです。
もし、雨漏りが発生していたら、ほぼ間違いなくシロアリの被害を疑ったほうが良いでしょう。
何故なら、シロアリは湿った柔らかい木を求めて移動し侵入してくるからです。
まずは、雨漏りのない家にすることが、シロアリ対策の基本ですが、見えない雨漏りもありますので、
クロスや壁のシミなど、わずかな異変を見逃さないように注意してください。
もしも雨漏りが起きたら、即修理を行って雨漏りを完全に修復することが大切です。

通気工法

高気密高断熱の家 Com.ieでは「通気工法」を外壁と屋根の両方に採用しています。

シロアリは乾燥した木材を好まないので、湿気で木材が柔らかくなることを防ぐために必要不可欠な対策が「通気」です。
高気密高断熱住宅の場合、外壁などの施工方法によっては躯体内に湿気が溜まりやすくなってしまうケースがあります。
Com.ieでは、外壁と屋根に通気層を設ける+外壁に湿気等を逃がす構造にする等の工法を採用するで、窓を開けたり虫の侵入経路になるような隙間を設けたりしなくても、壁内結露が起きない構造になっています。
詳しい工法については、「仕様と工法」をご覧ください。

屋内の湿度調整

高気密高断熱住宅では害虫対策として、室内の湿度コントロールも大切です。
例えば、暑い夏にエアコンで温度や湿度コントロールを行なっていても、夜に外気が涼しくなると窓を全開にして風を通すご家庭も多いかと思います。
確かに、夜間に温度は下がりますが、日本の夏の外気湿度は75%にまで達することもあり、窓を開けることで湿気をわざわざ室内に入れてしまうことになります。
室内が高湿度の状態になると、その湿気を木材が吸い込み、シロアリ被害を招きやすくなります。
また、人の健康を脅かすカビの発生にもつながります。

こうした理由から、Com.ieオーナーの皆様には、必ず湿度計を設置して、湿度のコントロールに気を配っていただくよう、お願いしています。
これは、シロアリ対策だけでなく、高気密高断熱住宅のメリットを最大限に感じていただき、長く快適で健康に暮らしていただくために、欠かせない事だからです。

まとめ

• 高気密高断熱の家は一般住宅より隙間が少ない為害虫が比較的入りにくいが、全く入らないわけではない。
• ゴキブリの侵入経路は、換気口や排水管、電気や電話線の配管、窓やドアの隙間などで、幼虫は僅か1ミリ程度の隙間でも屋内に入ることができる。
• シロアリは、地中から蟻道を通って侵入するほか、羽アリになって侵入することもある。
• 換気扇や換気口に後から防虫防汚の目的で不織布などのフィルターを貼り付けると、換気能力が損なわれることがある。
• 同じ高気密高断熱住宅でも、気密性のレベルには違いがあり、ゴキブリなどが入りやすい家もある。
• 高気密高断熱住宅なら、防蟻処理施工と定期点検が必要である。
• 防蟻処理施工には床下に薬剤を散布もしくは塗布して消毒する方法などがあり、農薬系の薬剤を使用するものと、自然由来のホウ酸による防蟻方法がある。
• シロアリ発生の原因は雨漏りに由来するものが多く、雨漏りしない家を創る事もシロアリ防止の重要な要素である。
• 高気密高断熱住宅でシロアリの発生を防ぐためには、湿度コントロールを行い、湿気によるカビや過剰な水分の滞留を防ぐ必要がある。

 

今回は、高気密高断熱住宅と害虫対策について、ご説明してきました。
気密性と断熱性の高い住宅では、夏涼しく冬暖かいといった体感できる快適性能だけでなく、その性能をよく理解した上で、窓の開閉や湿気対策を行えば、一般住宅よりもはるかに害虫類の侵入を防ぐことが可能です。
これから家を建てる方、今お住まいの家で害虫に関するお悩みをお持ちだったり、シロアリに対する不安を保たれている方は、正しい知識と対策を理解した上で、家づくりに取り組んでください。

 

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